無職失業体験談

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最終面接で社長と盛り上がった園芸談義

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投稿者:インドボダイジュ

新卒募集で、眼鏡の仲卸の会社を受けました。 その最終面接のときのことです。

社長に会うのはもちろん初めて。 恰幅がよくて眼光鋭い、いかにも切れ者といった感じの怖そうな人でした。

そうでなくても緊張しているところに、そんな人が現れたのですから、気の弱い私はもうビビりまくりました。 できれば面接をキャンセルして帰ってしまいたい、と思ったほどです。

担当の部長やほかの重役からいろいろ質問されたのですが、何を聞かれどう答えたか、まったく覚えていません。

しばらくそんなやりとりが続いたあと、それまで無言でじっと私を見つめていた社長が、初めて口を開きました。

社長は私の履歴書に目をおとしながら、「趣味は園芸、って書いてあるけど、どんなところでやってるの?」思いがけない質問。

私は「はい。家のベランダで、草花やちょっとした植木類を育てています」と上ずった声で答えました。 すると社長の顔が、変わったのです。 それまで怒ってるみたいに険しかったのが、にっこり、いかにもやさしい笑みを浮かべたのでした。

社長も園芸好き。 家の庭だけではあきたらず、近所に小さな畑を借りて、奥さんと家庭菜園までやっているといいます。

私の緊張はすーっと消えていきました。 そのあとはずっと、社長と私の園芸談義。 面接室から出たときは、なんだか身も心も軽くなって、スキップでもしたくなるような気分でした。

社長と趣味があったから、というわけでもないでしょうが、合格しました。 好きな趣味の話でフランクに受け答えできたのがよかったのかな、と思っています。