無職失業体験談

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無職を堪能する

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投稿者:ミントティ

約10年勤めた会社をついに辞めました。 この数年、激務のわりに報われない仕事にほとほと嫌気がさし、既に若くない自分はどんどん入社してくる若い女の子達とはぜんぜん違う扱いを受けるようになり、居心地も最悪でした。

体調もどこが悪いというわけではないけど、何となくすぐれないし、結婚していたけど子どもにも恵まれない。

こんな生活を続けていても何のメリットもないような気がして退職を決意しました。 表向き、退職の理由は体調不良と不妊治療をするからということにしました。

実際に治療をはじめていたわけじゃないけど、治療するなら会社員生活との両立は大変そうだなあと思っていたので、それを口実にしました。

特に引き止められることもなく3月の年度末をもって退職。 4月から晴れて念願の失業生活が始まりました。

一応、結婚していたから、これまで共働きを口実に手抜き状態だった家事も真面目にやろうかなと思ったけど、まずは長年の会社員生活でたまりにたまった疲労感が抜けるまでは少しくらいのんびりしてもいいかなと思い、まずは適当に過ごすことにしました。

朝、夫を会社に送り出したら、まず、布団にもう一度もぐりこみます。 朝のテレビ番組をダラダラと見て、ちょっと元気が出てきたら起き上がって、朝食の片付けと洗濯やざっと家のなかを掃除します。

それも途中テレビみたり休憩しながらするから、ひと段落つくのはもう昼前の時間です。

またお昼のテレビ番組を見ながら冷蔵庫のあまりものをつついて昼食をとります。 午後は読みたかった本や漫画を寝転がって読みながら昼寝を楽しみます。

退職して1ヶ月ぐらいはそんな自堕落な生活が続きました。

ただ家でごろごろ過ごしているだけというのは全く前向きな生き方ではないと非難されそうですが、そういう時間こそがこれからの人生の充電時間になると思っていました。

実際、退職して2ヶ月ほどたつと、外出してみようかという気持ちが出てきました。

そうなるとこれまで忙しくて気になっていたけど足を運べなかったところに出向こうかという気持ちになり、美術館や博物館、話題のショッピングスポット等に一人で出歩くようになりました。

平日の人が少ない観光スポットにいると、自分がぽっと社会から取り残されているような錯覚に陥りますが、それこそ失業中の醍醐味ともいえる楽しみといえるでしょう。

そうやって少しずつ外出と引きこもりを繰り返しながら、少しずつ気持ちが元気になるリハビリをしていったように思います。

長い人生、そんな無為を楽しむ時間があってもいいじゃないですか。

私にとって失業期間は人生という長い階段の踊場にいたというような気持ちでした。